愛のある社会の実現は「聴く」ことから
昨日から6月になり、通勤、通学が始まった方も多いと思います。
それに伴い、対面で仕事をしたり授業を受けたり、人との直接の接触が増えますよね。
今日はコミュニケーションについて書きたいと思います。
まずコミュニケーションは会話のキャッチボールなので、相手の話をきちんと受け止めて返すことが大事です。
そのためには「きく」力が必要になります。
前回も書いた部分もありますが、三段階の「きく」について書いていきます。
・聞く:音が耳に入ってくる、聞こえること。
・聴く:相手の感じていること、伝えたいことをを理解しようと耳を傾けること。
・訊く:自分が知りたいこと、質問したいことを尋ねること。
大事なことは「聴く」ができた上で「訊く」をしないとただの追求、質問攻めになってしまうということです。
私は元々コミュニケーションに対して苦手意識を持っていましたが、これも保育の中で鍛えられ、磨かれたと感じて感謝しています。
長年多くの子ども達と関わってきましたが、子どもは大人の感情や波長にとても敏感だと感じます。
子どもの態度がまるで自分の心を鏡に映したようだと感じ、はっとさせられることも本当に多いです。
「聴く」ことにおいては、相手に対して「聴いてますよ」というサインを出すことでその波長が伝わります。
その波長を相手が受け取ることで信頼関係が生まれ、キャッチボールがスムーズになると感じます。
この「聴いてますよ」というサインは、表情、姿勢、視線、相づち、言葉などを指します。
言葉や相づちについては、「それは悔しかったね」「頑張ったね」といった「気持ち言葉」や「ねぎらいの言葉」を使うことで、全ての人間関係において信頼関係が深まるきっかけになると感じています。
それから、保育において子どもが失敗したり良くないことをした時(例えば何かを壊したり、誰かを叩いたり)、私は昔はよく
「どうして壊したの!」
「なんで叩いたの!」
と言って子どもを責めていました。
しかしこれは「聴こうとする姿勢」のない訊き方でした。
子どもは特に「自分を理解しようとしている人か」という波長に敏感なので、「聴いてくれる」と思わなければ話さなかったり嘘をついたりします。
子どもが何かをした時、何かされた時、または喜んでいる時にも使える万能の言葉、「あなたの話を聴きますよ」というサインを出すことができる言葉が「どうしたの?」だと私は感じています。
「聴いてもらう」ことは心のメンテナンスだとも言われています。
急に会社生活が始まり、成果が求められる環境の中でもお互いが「大変でしたね」「頑張りましたね」と言った一言をかけ合うことでメンテナンスし合い、温かい社会が広がっていくことを願っています。